釣りで使うロッドはカーボンで出来ているというのはご存じだと思いますが、ロッドには必ずカーボン含有率という表記があります。
実際、カーボン含有率をロッドを購入する時にそこまで気にしなくていいのですが、表記があると気になってしまいますよね?
カーボンの強化プラスチックで出来たカーボンロッドは、魚の引きには強いのですが瞬発的な衝撃にはかなり弱いので、カーボンロッドの取り扱いを知っていないとロッド破損の原因になってしまいます。
今回の記事では、そんなカーボンロッドについての話になりなります。
- カーボンとはそもそもどんな素材なのか?
- カーボン含有率とは一体どんな意味を持っているのか?
- ロッドを選ぶ際にカーボン含有率をどのように見てどんな選び方をしたらいいのか?
そんなちょっと難しいカーボンについての記事になりますが、しっかり覚える事で釣り具に詳しくなりロッドを選ぶ時の指標にもなり今後のタックル選定にも役立つはずなのでこの際に勉強しておきましょう。
ロッドに使われるカーボンはどんな素材?カーボン含有率の意味とは?
まず初めにカーボンとは一体どの様な素材なのか?
釣具でロッド以外にもよく使われるカーボンの素材について少し勉強していきましょう。
炭が不完全燃焼した時に生じる「すす」の事をカーボンと呼びます。
炭素は強靭な特性をもっていて、その強靭な炭素を繊維化した繊維状の炭素物質が【炭素繊維】いわゆるカーボンファイバーの事です。
カーボンファイバーは高い強度と、軽量である事から様々な構造材として使われるのですが、カーボンファイバーだけで使われる事はなく、エポキシなどの樹脂と複合して使われます。
カーボンファイバー(炭素繊維)+樹脂を複合して出来た物が、炭素繊維強化プラスチック
英語表記の頭文字を取ってCFRPとも呼ばれます。
- 炭素は元素
- 炭素を繊維化したのが炭素繊維
- 炭素繊維と樹脂で複合してつくられたのがCFRP
カーボンロッドに記載されているカーボン含有率とは?
ロッドを購入する時に、カーボン含有率ってのが記載されているとなんだか気になってしまいますよね?
カーボン含有率ってのは、その名の通りカーボンがどれだけロッドに使われているのか?っていう表記なんだけど、実際は特に気にする必要も無いです。
なぜかというと、ロッドは大体がカーボンとグラスで作られているのですが、今はほとんどのロッドがカーボンを90%以上使っている物ばかりです。
カーボンロッドが普及したばかりの時は、ロッドにカーボンがどれだけ使われているかっていうのが、良いロッドの指標になったりしていたので、カーボン含有率が高いロッドの方がいい物という認識があったそうです。
ですが、今はグラスが多く含まれていても作り方の工夫で、あえてグラスを多く含ませているロッドなどもあるので、ただカーボン含有率が多いだけでいいロッドと判断できる訳ではないでしょう。
さらにカーボンロッドにも種類があります。
- 高弾性カーボン
- 中断性カーボン
- 低弾性カーボン
このようにカーボンの繊維の組み合わせによりロッドの調子を変えて作られており、高弾性カーボンの方が軽くなり反発力が大きくなります。
カーボンの種類によるロッドの調子の違い
カーボンには、高弾性、中断性、低弾性があり、高弾性になれば反発力があり感度が良く、軽く、値段が高い傾向になります。
逆に低弾性になればなるほど反発力が少なく、重くなり、感度も鈍くなります。
こう見ると高反発カーボンを使用したロッドになればなるほど高価でいいロッドになっていく様な気がしてきますが、実際はそんな事は無いです。
高弾性、中断性、低弾性があると言いましたが、これは大まかに分類されているだけで、実際は何千種類もの強度や弾性が違うカーボンが存在し、それらのカーボンを太く巻いたり細く巻いたりして様々な特性や硬さのロッドが出来てくるのです。
高弾性で好感度だからといっても高弾性の場合は魚を弾きやすくなってしまうデメリットもあるし、高弾性でパリパリの感度を持つロッドも当然いい物なのですが、あえて低弾性のカーボンを使用し、綺麗な曲がり込みを見せて釣りを楽しませてくれる様なロッドも存在します。
だから高弾性カーボンを使用した好感度のロッドが必ずしも一番いいロッドとは限らないのです。
ロッドの使用感を気にするのであれば、カーボン含有率よりも、ティップの構造も少し気にした方がいいでしょう。
ティップにはチューブラーティップとソリッドティップがあり、構造が違います。
ソリッドティップとチューブラーティップについてはチューブラー?ソリッド?アジングロッドを選ぶ時の分かれ目のティップを解説!の記事で詳しく解説しているので、確認しておきましょう。
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カーボンロッドの取り扱い方
カーボンロッドはその名の通りカーボン繊維から出来た強化プラスチックで出来たロッドの事です。
90%以上のカーボンで出来たロッドは、色々と扱い方に注意しなければいけません。
特に好感度で硬く、ハリのある超高弾性カーボンを使用したロッドなどは、扱い方を間違えると簡単に破損してしまう場合さえあります。
普通に釣りをしている分には、カーボンロッドが折れる可能性はあまりありませんが、瞬発的な衝撃には非常に弱いので十分注意するべきです。
カーボンロッドが折れる原因をいくつかまとめておくので、間違っても折れる行為をしないように確認しておきましょう。
運ぶ時に穂先を何処かにぶつける
ロッドの中でも穂先(ティップ)は細くて繊細な部分。
ロッドを持って釣り場に向かう時などに、ティップを何処かにぶつけてしまうと結構簡単に折れてしまう場合が結構あります。
特に釣り場に向かうまでの間に木や草が生い茂っている所を通らなければ行けない釣り場などは数多くあるのではないでしょうか?
そんな釣り場に向かう時に、2ピースロッドを繋げた状態で持っていると木や草に穂先が絡まって穂先を折ってしまう場合が結構な確率で起きてしまいます。(特に夜間の釣行などはさらに危険)
対策としては持ち運ぶときはロッドを畳んで持っていき、穂先をぶつけないように目に入る位置にして持っていく事を意識した方がいいでしょう。
地面にじか置きして傷を付ける
地面にロッドを直置きしておく事もNG行為です。
ロッドを直置きにしただけで破損などしないだろうと思いがちですが、カーボンロッドを地面に直置きすると目には見えない傷や亀裂が発生する原因になってしまい、その傷に気づかずにキャストをすると亀裂から簡単に折れてしまう事などもあり得るので、ロッドの直置きはしないように心掛けましょう。
対策として、ロッドホルダーをなにかしら用意しておきましょう。
ロッドホルダー付きのタックルバックを使用するか、バッカンなどを常に用意しておいて、ロッドを手から放したい時にはロッドホルダーに収納するようにする事を心がけるようにしましょう。
クーラーボックスに取り付けるタイプのロッドホルダーもあるのでクーラーボックスを持っていく場合は取り付けておくとかなり重宝します。
車のドアに挟む
車のドアにロッドを挟むケースも意外と多い事例です。
釣り場について釣りの準備をしている時に結構な確率でドアを開けた車にロッドを立てかけてそのまま気づかずにドアを閉めてしまうパターン。
無いようで以外に起きてしまう悲惨な事故なのですが、知り合いのなかでも結構な割合でドアに挟む行為をしてしまうので注意しましょう。
絡んだままキャストする
穂先にラインが絡まったままキャストしてしまい穂先が破損してしまうパターンも初心者の時は結構ありがちです。
釣りに慣れてくると、ラインが絡まっている感覚は、意外とすぐに異変に気付くのですが、初心者の間は結構ありがちなパターンです。
昼の釣行なら目で確認できるのですが、ナイトゲームになると感覚で感じるしか方法はありません。
対策としては、キャストする前に一度ベールを起こし、ラインが放出されるかどうかを確認してからキャストする用にしましょう。
面倒くさいかもしれませんが、仮に絡まったままキャストしてしまうと、簡単にティップは破損してしまいますよ。
根掛かりの時無理にあおる
カーボンロッドは瞬発的な衝撃にかなり弱いです。
根がかりなどをした時に無理には外そうとして、ロッドに瞬発的な負荷をかけてしまい破損してしまう場合も十分にあり得るのです。
環境的にも根がかりは避けたい所ですが、ついついボトムを攻めすぎてしまって根がかりした場合はラインとロッドが一直線になるように引っ張って外すしかないでしょう。
無理にロッドを立ててロッドに無理な負荷をかけてしまうとロッド破損に繋がります。
十分注意しましょう。
カーボンロッドを使い釣りを楽しみましょう
カーボンロッドは使い方さえ間違わなければ感度も良く、軽く、釣りには最適な素材です。
現時点のロッドはほとんどがカーボンを使用しているので、カーボンロッドの特性と使い方を理解して釣りを楽しみましょう!